業務案内
社会保険労務士の仕事
社会保険労務士制度の目的
社会保険労務士は、昭和43年6月に制定された「社会保険労務士法」によって制度化された国家資格です。この法律は、社会保険労務士制度を定めることによって、「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的」(同法第1条)として制定されたものです。
社会保険労務士とは
社会保険労務士は、毎年1回行われる国家試験に合格し、 かつ、2年以上の実務経験を有するものに与えられる国家資格です。 社会保険労務士になるためには、 資格取得後に、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿に登録し、いずれかの都道府県 社会保険労務士会に入会しなければなりません。 なお、会員は開業会員と勤務等会員、社会保険労務士法人の社員のいずれかとなります。
社会保険労務士の主な仕事
社会保険労務士は、50種類以上にのぼる労働・社会保険諸法令に基づいて、行政機関に提出する提出書類や申請書等を依頼者に代わって作成する事務および提出代行または 事務代理(注)をはじめ、備え付け帳簿、書類等の作成などの仕事を行っています。
また、社会保険労務士は、人事・労務管理コンサルタントとしても活動しています。社会保険労務士が行っている主な仕事を一覧表にすると、次のようになります。
行政機関に提出する書類の作成および事務手続き 提出代行・事務代理
- 労働保険、社会保険の新規加入と脱退および被保険者資格の取得・喪失等の手続き
- 健康保険・厚生年金保険の算定基礎届および月額変更届
- 労働保険の年度更新手続き
- 健康保険の傷病手当や出産手当金などの給付申請手続き
- 労災保険の休養(補償)給付や第三者行為の給付手続き
- 死傷病報告等の各種報告書の作成と手続き
- 解雇予告除外認定申請手続き
- 年金裁定請求手続き
- 審査請求、異議申立、再審査請求などの申請手続き
- 各種助成金の申請手続き
- 労働者派遣事業などの許可申請手続き
- 求人申込みの事務代理
諸規定・帳簿等の書類の作成・届出
- 就業規則・賃金規程・退職金規程等の諸規定および三六協定などの各種労使協定の作成・届出
- 労働者名簿・賃金台帳の作成等。
あっせん代理業務
- 個別労働関係紛争の解決促進に関する法第6条第1項の紛争調停委員会における同法第5条第11項のあっせんについて紛争当事者の代理
相談・指導・企画
- 賃金・人事制度および退職金制度の設計・運用、採用・異動・退職・解雇等の雇用管理、労働時間管理(休日・休暇を含む)、福利厚生、安全衛生、教育訓練、各種年金、高齢者問題などに関する相談。
労働:社会保険事務手続きの代理・代行
社会保険労務士は、従業員の採用から退職(解雇)まで (会社設立から解散まで)の間に必要な労働・社会保険の諸手続きのすべてを事業主 に代わって行います。また、年金裁定請求手続きや労災保険の給付申請手続きなどの事務を個人に 代わって行います。
諸規定および備え付け帳簿等の作成
就業規則などの作成・変更
常時10人以上の従業員を使用する事業所では、就業規則を作成し、労働基準監督署長に 届け出なければなりません。また、近年、関係法令が頻繁に改正されていますので、すでに就業規則を作成している事業所でもその見直しが必要となっています。
就業規則をまだ作成していない事業所はもちろん、改正された法令どおりに変更していない事業所は、ぜひ社会保険労務士に相談してください。社会保険労務士は事業所の実態と法令に合った就業規則を作成・変更します。
社会保険労務士が作成する諸規定
社会保険労務士が作成する就業規則の付属規定には、次のようなものがあります
付属規定
賃金台帳の作成や労使協定の事務手続き
労働関係法令は、上記の諸規程のほか、労働者名簿や賃金台帳、各種労使協定など の書類、帳簿等を事業所に備え付けておくことを事業主に義務づけています。
このうち、労使協定には次のようなものがありますが、社会保険労務士は、これらの労使協定の事務手続き(届出を含む。)を代行します。
- 三六協定(時間外・休日労働協定)
- 休憩時間の一斉付与除外協定
- 1年単位の変形労働時間制の労使協定
- フレックスタイム制の労使協定
- 貯蓄金管理に関する労使協定
- 賃金控徐に関する労使協定
- 事業場外みなし労働時間制に関する労使協定
- 専門業務型裁量労働制に関する労使協定
- 企画業務型裁量労働制の労使委員会の決議等
- 年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定
- 育児休業の適用除外に関する労使協定
- 介護休業の適用除外に関する労使協定など
社会保険労務士でない者が、報酬を得て就業規定の作成・変更をすることはできません。
就業規則を作成・変更するためには、労働関係諸法令に関する高度の法律知識を必要としますので、就業規則の作成・変更を報酬を得て行うことができるのは、社会保険労務士に限られています。したがって、無資格者はもちろん、公認会計士(監査法人を含む。)や税理士などの国家資格者も、有料で就業規則の作成・変更をすることはできません。
人事労務コンサルタントとして企業を支援
法律で認められた唯一の労務管理コンサルタント
社会保険労務士は、企業の人事や労務に関するコンサルタントとしても活動しています。社会保険労務士法は、「事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること」(同法第2条第1項第3号)を社会保険労務士の仕事のひとつとして定めており、社会保険労務士が労務管理の専門コンサルタントであることを認めています。社会保険労務士は、人事・労務管理上の諸問題の相談を受け、企業の実情に応じて適切なアドバイスを行います。
労務コンサルタントとして行う仕事の主なもの
職場における労働問題は、非常に多岐にわたるため、すべての領域をここに記すことはできませんが、主なものには次のようなものがあります。